Profile
Travel
Diving
Sea Kayak
Photo Gallery
Pet's Room
My Favorite
DailyReports
Links
Top Page

キタリス!?   習慣   出来事  病気   別れ
                血尿
                
エコー検査
                
再検査
                
手術
                
目を覚まして・・・
                
告別
                
納骨
                
あれから1年。        

血尿

5月21日、ミニィのおしっこに、目に見える血が混じっているのに気づいた。ここひと月、非常に元気な日が続いていただけに、突然の事に驚いた。食欲もあり、特に痛がる様子も見られない。すぐに先生に電話し、予約を入れた。
 採取した尿を提出し診てもらう。やはり、かなりの血がみられた。止血薬をもらい、薬局で尿潜血の検査紙を買って、次の病院に行く日まで血が止まるか経過を観察した。
 翌日先生からの電話で、膀胱炎を示す細菌は見られないと検査結果を聞いた。でも、ミニィはもともとの病気で抗生剤を飲んでいるので、細菌が押さえられている可能性もあるとの事。次回の病院でエコー検査をすることになった。
 病院に行くまでの10日間、3日後には止まった尿潜血も、7日後には再び3プラスの値を示し、蛋白も認められた。

エコー検査

病院へ行く前日、ミニィが寝ている時をねらって、電機産毛そりで下腹の毛を剃った。ミニィはちょっとだけ目を開けたが、大人しくしていた。
 翌日病院で、夫とふたりでミニィをなだめながら仰向けに保持し、下腹にゼリーを塗って機器を当てた。映像を見ると、膀胱に5mm程の楕円形の影がある。膀胱を半分以上占めるその影は、見た瞬間、明らかに異常な影であるのが解った。次に腹這いの状態で検査すると先ほどとは違う側に移動している。先生は動くという事は腫瘍ではなく、結石の可能性が高い、と説明してくれた。
 結石の場合、小さいものであれば薬で溶かして出して行く方法もあるが、これは大きいものである、また、溶かしたとして小さくなったものが出る時、尿管に詰まって苦しむ事になる可能性もある事を説明された。そして、ミニィの場合、持病の心配もあり、これ以上の薬での治療はさけた方がいいため、手術が最善の方法であるだろう、また今なら元気で手術の負担に耐えられる、難しい手術ではないが、もちろん、麻酔をかける事の危険性はあると、この時説明を受けた。
 私たちは、ただでさえ病気で苦しんでいるミニィに手術の負担をかける事に悩んだ。ましてや、このひと月こんなに元気に遊んでいたミニィにメスを入れなければならない。しかし、放っておいてはいずれは苦しませる事になる。現状でも、これだけ出血しているという事は、結石が膀胱を傷つけ、本当は痛いに違いないのだ。
 私たちは4日後の病院でエコーの再検査とレントゲンで確定診断してもらい、決める事にした。
 それからも尿潜血の値は、3プラスから1プラスを彷徨い、運動をした後は特に値が高くなった。結石の原因は何か先生に聞いたところ、食事のバランス、あるいは、薬の影響、等の可能性があるとのことであった。
 結石の可能性と聞いて初めて、サイトで検索して調べてみた。ヒットする項目から、犬や猫ウサギなど、膀胱結石という病気が多い事を知った。もっと早く、気をつけてあげていたら何かが変わっていただろうか。答えが出ない。ミニィにばかり負担をかける、駄目な飼い主である。

再検査

ミニィは今日も病院か、と神経質になっている。嫌がるミニィを押さえ、エコー検査を受ける。ひょっとして今日はもう、影が無くなっているかもしれないという、甘い期待はもろくも崩れ、同じような映像が目の前にあった。続いて受けたレントゲンで、先生はやはり膀胱結石だろうと診断した。
 もう、選択の余地はないと思う。手術をしなければこれからミニィは苦しい思いをするに違いない。手術をすれば、結石を取って、もう膀胱を傷つけずに済む。私たちは、手術の同意書にサインした。
 手術は2週間後の6月19日、14時から。念のため、当日入院して翌日迎えに来てくれとの事。すぐに退院出来るものなのか、と少し安心する。

手術

手術当日、ミニィはいつもの通り元気に起きていた。尿潜血は相変わらず出たり出なかったり。手術中にもどすといけないので、念のため食事は抜きで来てほしいと言われていたため、欲しがるミニィに声をかけて我慢させた。
 病院までの車の中でミニィのケージを抱えていると、いつもと空気が違う事が解るのか、いつになく大人しくしている。あるいは、何故ご飯をくれないのか、悲しげに見つめているようにも見えた。
 病院に着いて、ミニィを病院のケージに移した。先生が奥に持って行くミニィの目を見ながら、がんばるんだよ、と声をかけた。
 手術は30分くらい、それから、麻酔が覚めるまでに30分くらいかかるとの事。今日は入院なのでこのまま帰っても構わないと言われたが、近くで待っているので麻酔が覚めたら、電話してほしいと伝え、病院を出た。
 ふたりで待っている間、落ち着かず、話もする気になれない。簡単な手術だと言い聞かせてみても、ミニィの持病の事を考えると不安になった。
 時間が経つにつれ、不安はますます増してくる。そろそろ麻酔が覚めてもいいころなのに、電話が無い。予定時間を30分過ぎた頃、電話が鳴った。助手の方からで、手術は無事に終わった、しかし、麻酔が覚めない、今先生が処置しているのでもう少し待ってほしい、という。夫に伝えると返事は無かった。それから、30分経った頃、また電話が鳴った。やはり麻酔が覚めず、すぐ来てほしいと言う。急いで病院に駆けつけると、手術台の上で仰向けになり、酸素マスクを添えられて目を閉じているミニィの姿があった。
 

目を覚まして・・・

ミニィの下腹にはきれいに縫われた痕があり、顔は涙と汗で濡れていた。
 意識は無いのに、苦しそうに見えて言葉を失った。先生は、呼吸も安定し脈も強いが、麻酔から覚めてもいい時間から既に1時間経っている、手術は成功したのだが、と取り出した結石を見せてくれた。それはエコーで見た通り、5mm程の楕円形でぎざぎざした突起だらけの白い石だった。こんなに大きなものが・・さぞ痛かっただろうと思う。手術室には、ミニィの心音が機械を通して、規則正しく響いていた。ミニィにがんばれ、早く起きなさいと声をかける。この時は心音を聞きながら、ねぼすけのミニィだから、ちょっと起きるのが遅いだけだろうと思っていた。
 今のミニィの状況について不安を口にする事
が出来ず、見守りながら30分の時間が過ぎた。不安に息苦しくなってきた時、突然心音の機械が警告音を発し始めた。先生が体温が下がって来たと告げる。私は初めて、先生にミニィはだめなのか?と聞いた。聞くと同時に涙が溢れ出た。先生は返事の替わりに、呼吸が弱くなって来たと告げた。
みんなでミニィを見守る中、先生が最後にもう脈がとれないと告げる。
 ミニィは目を覚ます事無く、眠ったまま逝ってしまった。 

告別

まだ暖かいミニィを抱えて、車で家に向かう。膝の上に乗せてなでていると、目を覚ますのではないかと錯覚してくる。あんなに苦しそうだったミニィの顔はいつのまにか、眠っているような穏やかな顔に戻っていた。時間が経つにつれて、膝の上のミニィが冷たくなっていった時、ミニィはもう帰って来ないのだと理解した。
 家に帰り、箱の中にミニィと一緒にミニィの好きだったものをたくさん入 れた。翌日、ペットを火葬してくれる所に連絡してミニィを連れて行った。
 他にも何組もの家族が泣きながらペットを囲んでいる。係の人から、火葬した遺骨はここでも祀る事が出来る、1年過ぎたら、石碑の下で土に帰すが、どうするか聞かれた。持って帰る事を伝えると、いずれは土に帰す事が供養になるので、いつでも持って来なさいと声をかけてくれた。
 火葬は人間と全く同様に行われた。火葬する前にミニィと最後のお別れをして、最後の日に食べさせてあげられなかった、ミニィの好物も一緒に火に入れた。
 ミニィは他の家族のペットより遥かに小さいため、15分程で火葬された。ちゃんとお骨が残るよう、大きさに応じて考えて火葬するという。ふたりでお骨を小さな骨壺に納める時、説明と一緒にのど仏まで拾ってくれた。親切な対応に本当にありがたいと感じた。
 家に帰り、お骨を祭壇に据える。ケージも巣も登り木もそのままで、ミニィがどこからか出てきそうな気がしてくる。人間はこんなにも泣き続ける事が出来るのだと、この時初めて知った。

納骨

火葬の時言われたように、お骨をどうするのか、考えなければならないと思っていた。そばに置いておきたい気持ちはあるが、やはり土に帰すのがいいのだろう。それならば淋しくないよう、同じリスがいる森がいいと思った。そして、四十九日に、私たちは旭川へ飛んだ。
 エゾリスに出会えるのか、多少の不安はあったものの、行ってすぐに出会う事が出来た。元気よく駆け回る姿にここにしようとすぐに決めた。1匹の元気な子供のリスが登っていた、オニグルミの木の下に穴を掘って、オニグルミとともに骨を埋めた。ここで、元気なリスに生まれ変わってくれる事を願って。

あれから1年。

ミニィが逝って1年が経った。
 当時、ミニィを殺してしまった、という思いから逃れられず、家にこもる日が続いた。ミニィが元気に遊び回っていた頃を思い出そうとしても、頭に浮かぶのはミニィが逝ってしまった日の事ばかりだった。ミニィのいない時間は過ぎていき、淋しい無為な日々が続いた。
 そんな私たちを救ってくれたのは、やっと足を運ぶ事が出来たペットショップにいた、元気な子供のリスだった。後に私たちを四苦八苦させる、テトである。
 もちろん、ミニィの事を忘れたい訳ではない。でも、テトの存在が私たちの淋しさを半減させたのも事実だ。
 野性味あふれる大型リスを飼う事に反対の人も多い事と思う。私も彼らを狭い所に閉じ込めておく事には反対だ。彼らはとても遊び好きで、一緒に遊んであげれば、それだけ人間にも愛情をもって接してくれると信じている。ミニィが、私が調子が悪い時によく、髪の毛を毛づくろいしてくれたのも、偶然ではないと思う。
 今でも、ミニィは幸せだっただろうか、と考えてしまう時もある。後悔の気持ちは一生消えないのだろう。それでもミニィと過ごした4年と7ヶ月を大切に胸にしまい、今、私たちと一緒にいてくれるテトとの時間を大切にしていこうと思う。
 私たちと一緒にいてくれて、ありがとう、ミニィ。

back
Profile  Travel  Diving  SeaKayak  Photo Gallery Pet's Room  My Favorite  
Daily Reports  Links  Home

Copyright © 2004-2011 TSURU's SIGHT All rights reserved