大ピンチ!病院に連れて行って。
ある冬の朝。いつものように遊んでいたミニィがゴトッという音ともに登り木に駆け上がってきた。どうしたかと見に行くと柱の陰に隠れるようにして、顔だけのぞかせている。音がしたところを見ると、瓶が床に転がっていた。
嫌な予感がして隠れたがるミニィを見ると、右手中指の爪が皮一枚でぶら下がり、血が滴り落ちている!すぐに小さな移動用のケージを持ってくると、いつもは嫌がるくせに素直に中に入ってくれた。かかりつけの病院に急ぐ間、ミニィは静かにうずくまっていた。病院ではぶら下がっていた爪をはさみで切って、止血剤を傷口に塗り込んでみる。しかし出血が止まらず、結局傷口を焼く事に。ミニィを押さえながら、滅多に聞くことがないキィという鳴き声に不用意に瓶を置いてしまった事を後悔した。
幸い出血は止まり、抗生剤をもらって家に帰った。ミニィを外で遊ばせるためには注意しなければならない事がたくさんある。今更、閉じ込めておけるはずもなく、それならばミニィを遊ばせる部屋に気を配るしか無い。生えてくるかもしれないと先生が言ってくれた爪は、結局生えてこなかった。
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思いがけない病気。
ミニィも4歳になった冬のある日、ミニィのあごの左下が膨らんでいる事に気づいた。食欲もあり、元気でもあったが念の為病院に行く事にした。引っ越して初めての病院だったので、取りあえず近くの病院へ。口の中を見てもらうと、口内炎のように炎症を起こしている部分が。抗生物質を出してもらったが、顎や歯に原因があると治らないかもと言われた。
1週間経っても腫れは引かず、心なしか元気も無くなってきた。行った病院はリスを見た事がないとの事だったため、ちょっと遠いが、リスを良く診てくれている病院を探して行く事にした。診断はほぼ同じで抗生剤を投与して様子を見る事に。レントゲンを撮って確認する手もあるが、じっとしていないと撮れないため後日考えようという事になった。3週間薬を飲ませ、腫れも引いて元気もあったので、薬を止める事にした。ところが5日後、ミニィの元気がない。翌日、ミニィの頬は見た事も無い程大きく腫れて垂れ下がっていた。すぐに病院へ行き、消炎剤と抗生剤の投与をしてもらったところ、翌日には腫れがひいて柔らかいものを食べられるようになった。結局病巣が残っていたため薬を止めると再発するのだろうとの事。以後、ミニィと私たちの長い闘いが始まった。
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薬のあげ方。
薬は錠剤をすり潰して、毎回の分量に
分けヨーグルトに混ぜて投与した。少し調子が良くなると食べるのだが、非常に具合が悪いときはなかなか食べない。チーズに混ぜてみたり、くるみをすり潰して混ぜたり、あれこれやってやっと食べさせた。器からより、人の手からの方が食べてくれるのは、ぬくもりのせいだろうか・・・
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レントゲン。
骨の以上や腫瘍の有無を確認するため、レントゲンを撮る事になった。麻酔をかける危険は侵したく無かったため、ネットに入れて動けないようにした。撮れなくてもともと、という気持ちでトライしたのだが、ミニィは2枚のレントゲンを撮る間、驚く程大人しく、おかげであごに異常がない事が確認できたのであった。しかし、ミニィはネットから出るなり、尻尾を勢いよく振って先生に向かって怒った。先生ごめんなさい。
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注射は嫌い。
幸い薬を飲んでさえいれば、ミニィは元気でいられるようになった。病気のもともとの原因が分からない以上薬を止める判断には至れない。先生はミニィの年齢の事も考えて、予防も含めた医療に取り組んでくれている。その一環として1ヶ月に1度注射をしていたのだが、ミニィは注射のある日の微妙な空気の違いに気がつくようになり、その日はケージから出てこようとしない。無理矢理出すと私にしがみついて、診察台に降りない。一苦労だ。
しかし、なぜか注射をしない日は、自分からケージを出て先生に飛びかかった。先生曰く「多分威嚇しているのでしょう・・・」
先生ごめんなさい。
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目の病気。
頬の病気の半年前の夏の日、左目が赤く充血し目やにが出る等炎症を起こしてしまった。目薬と抗生剤で1週間程で病状は落ち着いたが、左目だけ瞬きの数が多く、目の大きさも左右差があるように見えた。他の症状がないのでそのうち治るだろうと思っていたのだが、今思うとあれが病気の始まりだったのかもしれない。
頬が先か、目が先かは解らないが、頬の腫れが顕著になったとき、目も再び赤くなり、半閉じでしばしばしていた。そして、何より薬がよく効いてミニィが元気になった時、目の大きさが同じになってかわいくなったと先生に言われて昔のミニィの顔に戻ったと気づいたのである。
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固いものが食べられない!
今思えば、あの時からおかしかったのかも、と思える行動がある。くるみをあげるとものの1分程で割って食べていたのに、気がつくとくるみ相手に10分くらいガリガリしている事があった。その時からくるみ割りにはいつも時間がかかるようになっていた。その他にもミニィの遊び時間が30分くらいだったり、極端に短くなっていた。冬場のせいだろうと思ってしまっていたのだが、それが予兆であったことは、薬を飲んでいて調子の良い今日、あまりある元気を満喫しているミニィを見ていると分かる。現在ミニィは一番に起きて、休みを挟みつつ6時間くらい遊んでいる。
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下痢の原因。
昔から病院に行って緊張すると下痢をしていたので、精神的なものだと思っていた。ところが、今回の病気が落ち着いた頃、検便してもらうと線虫の卵虫がいる事が分かった。先生曰く、腸内バランスがよければ緊張で下痢はしないし、糞尿も臭わないとの事。駆虫薬の投与で卵虫が少なくなると、下痢をしなくなり、臭いも無くなった。表面的な消臭ではなく、健康のバロメーターとして臭いの原因を探る事が大切だと改めて教えられた。
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歯が!
病気の再発で、固いものが食べられなくなった時、いろんなものをすり潰して丸めてミニィにあげていた。病状が改善し始めても、ミニィはなかなか固いものを食べようとしなかった。そんなある日、ミニィの閉じた口から1本歯が突き出ている。何故?とよく見てみると、前歯の片方だけ3ミリ程鋭くのびていた。頬の痛みで片方だけ使っていたのかもとの事。歯ぎしりで歯を研ぐので無理に削らず様子を見る事に。約1ヶ月後普通に食事が出来るとともに、ミニィの歯は元に戻った。
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大切にしたい命。
頬の病気に気づいてから1年3ヶ月、先生に助けられながら病気と戦ってきた。あれから季節の変わり目等調子を崩すと、頬が腫れたり、目がおかしかったりと一進一退だが、総じて薬を飲む前よりミニィの様子は驚く程元気である。これから年をとるとともに気をつけなければいけない事も増えるだろう。でも、縁あってうちにやってきたミニィが少しでも元気に過ごせるよう心がけたい。いつかはやってくるお別れの日に後悔しないように。
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