フローリングの走り方
我が家にきてから半年間、ミニィはフローリングの床の歩き方について大変な誤解をしていたようだ。とは言っても私たち自身彼女にきちんと歩き方を教えたわけでもないので私たちにも非がある。で、どのような歩き方をしていたかというと木を登るときと同じように爪を立てて歩いたり、走ったりしていたのだ。だからミニィが来るときは「カシカシ」と爪の音をさせながらやって来るのであった。大変こっけいだったのはビックリしたりして大急ぎで逃げようとするときである。走り始め手足を全速力で動かすものだから爪がフローリングの床をかくだけで空回りしているのだ。そう凍結した道路で急発進している車のような状況だ。
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ミニィーと言えば飛び出すミニィー
最初の数ヶ月、ミニィは私達に対し興味をしめしつつ、また警戒もしていた。平たく言ってしまえば慣れていなかったのだが。私達はケージをダイニングにある出窓のカウンターの様になった台の上に置いた。この場所は私達が起きている時間常に目が行き届く場所である。ミニィとしても私達がいつも見えていないと心配な様であった。昼も夜も起きているときも寝ているときもミニィは常に私達の姿を見ていた。例えばミニィが寝ている時に私達が「今日のミニィはどんな様子たっだ?」なんて話をすると顔を出しているのである。それが面白くて話の中に意図的にミニィということばを出して出たり引っ込めたしした。モグラタタキゲームのモグラ状態であった。
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ケージの場所は私が決める。
ケージは当初、午前中日の当たるリビングの出窓に置いていた。日陰を作り冬場の間は温度もあがり過ぎず、なかなか快適だったのだが、暖かくなってくると温度管理が難しくなってきた。そこで、ケージを涼しい北側の部屋へ移すことにした。この部屋は作業部屋として使っていたため、普段いることが無い部屋だった。翌朝、ケージを開けにいくと、ミニィがじっとこちらをにらんでいる。見たことも無い陰険な目つきだ。すぐに、ケージの外に出てカーテンレールの上に登り、しっぽをこちらに向けて動かない。どうしたのかと顔を覗き込むと、ミニィは「見ないで!」とばかりに、またしっぽをこちらに向けて顔を背けた。呼び掛ければ必ず顔を向ける普段からは考えられない行動である。これはもう何かに怒っていると判断せざるを得ない。答えは簡単だった。ケージの移動が許せないのだ。すぐにリビングにケージを戻したところ、ご機嫌はなおった。しかし、温度管理のため我が家の電気代はうなぎ上りとなった。
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恨みます。
ある日の朝、ミニィがごそごそと起きて巣から出てきたと思ったら、覗き込んだ私に対し、すぐにしっぽを向け、斜め下から見上げるように怒った目で睨みつけている。そう、ケージを動かした時のあの目である。起き抜けの事であり今度はどんなに考えても思い当たる節がない。結局、嫌な夢でも見たのだろうと理解する事にした。果たしてリスが夢を見るかどうかは分からないが・・・彼女のご機嫌は1時間くらいで戻った。これ以降、この「恨みます」の目は見ていない・・
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大好きなバリバリ。
ミニィが我が家にやってきて、1週間経った頃、ミニィが体に張り付いて驚くような早さで体の上を動き回った。足下から、首のところまで回りながら上がってくる。目は興奮しきっていて時々クックッと声をあげる。顔に噛み付きそうな勢いで上がってくるので、けっこう怖い。どうやら追いかけっこを楽しんでいるらしい。野生であるなら仲間とこんな風に遊ぶんだろうなと思いつつ、時々捕まえる振りをして遊んであげるとますます興奮して、おしっこを引っ掛けてくる。あんまりしつこいので、テレビを見ながら適当に手を出していたら、それが気に食わなかったのか、思い切り指を噛まれた。
She won!
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リスの正しい怒り方。
レベル1 しっぽを振る。
レベル2 両足でその場でガッガッガと足踏みする。
レベル3 上の二つと同時にコフッコフッと鳴く。
レベル4 しっぽを向けて、目を三角にして動かない。
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トイレ教室。
リスにトイレを教えるのは無理!と言われはしたものの、どうにか覚えてくれないものかと、おしっこをしているらしきところにトイレを置いてみた。しかし、どうにもそこにはしてくれない。時々、ケージの壁に掴まって外に向かってしていたので、その壁の1辺にトイレシートを張ってあげると、そのシートめがけてほぼ同じ場所にするようになった。まぁ、これで良しとしよう。しかし、糞はどこででもやってくれる。特にケージの中でバック転しながらするので、そこら中飛び散ってしまう。一度下痢をしてしまった時は、すごい状況だった。二度と下痢させないよう気をつけよう・・・
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オシッコ攻撃。
おしっこは、トイレシートをセットしているところにきちんとする、とても良い仔だったのに、ある時、ケージに閉じ込めていると、こちらに向けておしっこを引っ掛けてきた。それ以降、ケージから出たいのに、出してもらえない時は必ず、オシッコ攻撃をするようになった。
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目覚ましミニィ。
ある日、ケージのロックをかけ忘れて寝てしまった。朝早起きのミニィはこれ幸いとケージを抜け出てひとしきり遊び回ったらしい。それも飽きてしまったのか、お腹が空いたのか、寝室までやってきて、布団に飛び乗り、顔の上をペタペタと歩いてくれた。びっくりして起きると、ミニィは一瞥をくれてリビングに去っていった。それ以降、ミニィは誰かが寝ていると起こしてくれるリスになった。
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食べるものと隠すもの。
リスには貯蔵本能というものがあるらしい。それは秋に特に顕著になるが、ミニィの場合また別の理由があるようだ。あまり好きじゃないものをもらった時、取りあえず隠して、もっとおいしいものをもらおうとする。どうしてももらえない時は、すぐに掘り出し、あきらめて食べている。
すぐ食べるもの・・・・ヒマワリの種等種子類、生野菜
隠すもの・・・・殻付きくるみ等の木の実、ペレット
両方・・・・ピーナッツ(大好物)
投げ捨てるもの・・・・稗や粟など穀物類
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禁断の水浴び。
飼育書によると、リスに湿気は良くないと書いてある。そうかそうかと温度管理や湿度調整に気を使いつつ、真夏のある日。ミニィが怒るのでケージが南向きの部屋にあるため、真夏の午後は流石にエアコンの効きが悪くなる。冷たい水でも飲んでもらおうと氷水を皿に入れてあげると、ミニィは両手をいれてじゃぶじゃぶとお腹にかけてしまった。大丈夫なのかと不安に思いつつもあまりに気持ち良さそうなので、したいようにさせてしまった。その後は保冷剤を敷物に入れて涼をとってもらっている。
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別荘がほしい。
朝から外出してミニィを出してあげられなかった日は、帰ってきてミニィを出してやると、不満そうに別荘に布団を持ち込んで立てこもる。次の日は勝手に遊ぼうという考えだ。仕方ないので
ミニィが寝込んでから巣に移し替えると不満そうな目で私たちを見る。私が仕事を辞めたのは、ミニィのこんな目を見たくないからかもしれない。
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